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2024年10月18日
  • 浄化槽コラム

浄化槽とは?汚水をキレイにしてくれる仕組みや種類について解説

みなさんは浄化槽を実際に見たことはありますでしょうか。

おそらく、業界関係者以外は、ほとんどが浄化槽を見たことがないはずです。

浄化槽は特定の建物の地下に埋まっている設備だからです。

当然、地下に埋まっている設備であれば、本体そのものを見る機会はそうそうありません。

そこで今回は、浄化槽とはどういうものなのか、についてお話ししますので参考にしてみてください。

浄化槽とは?

浄化槽とは簡単に言いますと、生活により発生した汚水をキレイにしてくれる設備のことを指します。

例えば、調理後に食器を洗う水や、お風呂、トイレ、洗面所など、汚水をそのまま垂れ流しにするわけにはいかないため、浄化槽でキレイにして河川などに流れていきます。

どのご家庭でも、生活排水は下水道を流れて処理施設へ向かい、そこでキレイにされた水が川や海に流れていく、という何となくのイメージを持たれていませんか。

実は、全国すべての住まいに下水道が整備されているわけではありません。

下水道が整備されていない住まいから、汚水をそのまま流すと不衛生すぎますし、自然への影響もはかり知れません。

そこで、浄化槽を設置することにより、家庭で発生した汚水を浄化槽に集め、キレイにしてくれるというわけです。

浄化槽はどのような仕組みで汚水をキレイにしてくれるの?

家庭から排出される汚水を、どのようにして浄化槽がキレイにしてくれるのか、というところが大きな疑問点ではないでしょうか。

簡単に言いますと、浄化槽に住んでいるバクテリアなどの微生物が、汚水を分解しキレイにしてくれる、という仕組みになっています。

例えばトイレの排泄物やお風呂、台所、洗濯など、住まいで発生した汚水が浄化槽に流れます。

あくまで一例ですべてではありませんが、汚水は嫌気槽と言われる場所に入り、汚水に含まれている有機物を微生物が分解してくれます。

次に、好気槽と言われる場所に移動しますが、ここでは空気が必要な微生物が住んでおり、そのためブロワと言われる機械により空気を送り込み、活性化された微生物により汚水をさらに分解してくれます。

ただし、嫌気や好気の順番が異なっていたり、嫌気がない浄化槽もあったりするため、ご注意ください。

微生物によって処理された固形物は沈殿し、上澄みの水が消毒槽へ移動し、さらに薬品を使うことで水がキレイになり、放流されるという仕組みです。

浄化槽は、大きな箱のような形をしていますが、中身は汚水を分解できるよう工程化されており、それぞれが活躍してくれることにより、汚水がキレイになります。

浄化槽には種類があるの?

浄化槽は大きく分けてふたつあり、それぞれの役割が異なります。

単独処理浄化槽

水洗トイレのみの汚水処理に対応したのが、単独処理浄化槽です。

もともと単独処理浄化槽は、家庭用の浄化槽として活躍していましたが、2001年4月1日以降は法律が改正されたことにより新設ができなくなりました。

当然、現在は製造もされていません。

昔から現在にいたって単独処理浄化槽を使い続けているのは問題ありませんが、衛生問題や環境を維持するためにも合併処理浄化槽への交換が理想的です。

とくに、生活排水は垂れ流しになったまま放流されてしまう、という問題がありますので、合併処理浄化槽への交換は急務だと言えます。

合併処理浄化槽

現在、もっとも普及しているのが合併処理浄化槽です。

単独処理浄化槽は、水洗トイレのみの対応でしたが、合併処理浄化槽は水洗トイレだけではなく、キッチンやお風呂、洗面所、洗濯など生活用水全般に対応している浄化槽です。

現在は、合併処理浄化槽が主流であり、浄化槽=合併処理浄化槽と考えるべきです。

合併処理浄化槽は生活排水を、浄化槽の微生物の働きにより浄化してくれ、キレイな水になって放流してくれます。

単独処理浄化槽とは違い、合併処理浄化槽は生活排水の多くを処理してくれるため、衛生問題や環境問題に大いに貢献しています。

浄化槽には大きさの違いがあるの?

家庭用で使われている浄化槽は、おもに5人槽、7人槽、10人槽のタイプが一般的です。

集合住宅や店舗などになれば、それ以上の浄化槽もあります。

一般住宅の場合、設置する浄化槽のサイズは、建築物の用途別によるし尿浄化槽の処理対象人員算定基準(JIS A3302-2000)に基づき、家の延床面積を基準に選定を行います。

例えば5人槽であれば、130平方メートル未満、7人槽なら130平方メートル以上という算定基準に基づいています。

ですが、ここで間違ってはいけないのは、住んでいる住人が5人だから5人槽を設置できる、というわけではありません。

仮に2~3人しか住んでいなくても、5人槽が選べるというわけではなく、延床面積に合わせたサイズの浄化槽を設置する必要があります。

浄化槽はどうやって見分けるの?

住まいに浄化槽が設置されていたとしても、そもそも浄化槽があるのか、あったとしても単独処理浄化槽なのか、合併処理浄化槽なのかは分かりません。

新築物件であれば、当然ながら合併処理浄化槽ですが、かなり古い住宅に引っ越しをした場合は判断ができません。

多くが蓋の枚数を見れば、単独浄化槽か合併浄化槽かがある程度判断できると記載されているケースをインターネット上で見かけますが、浄化槽によって変わってきますので、蓋だけで判断するのはよくありません。

キッチンや洗濯、お風呂などの排水が浄化槽へつながっているのであれば、合併処理浄化槽だと言えますが、何にせよ、浄化槽の有無や種類を知りたい場合は、浄化槽のプロに相談してみるのが理想的です。

浄化槽はどれくらいの寿命があるの?

浄化槽を設置をするといつ修理をすればいいのか、というタイミングを知っている人は少ないです。

当然、浄化槽も設備ですから寿命はあります。

浄化槽の耐用年数は、20年~30年程度と言われています。

浄化槽が劣化して破損をしたり処理機能が遅くなったりすると、入替工事をするべきなのか、と思われるかもしれませんが、この工事には莫大な費用がかかるため、修理で対応するのが一般的な方法です。

仮に寿命だけで見ますと、破損ををすれば交換か修理という流れになります。

浄化槽の定期点検とは?やらないとダメなの?

浄化槽は、いちど設置をすればそれで終わりではありません。

なぜなら、定期的なメンテナンスが必要だからです。

どんな設備でも、定期的なメンテナンスが必要なように、浄化槽も生活排水をキレイにし続けるためにはメンテナンスが必要です。

保守点検

浄化槽が正しく機能しているのかを点検し、各種装置の機器の修理や調整などを行うのが保守点検です。

保守点検の内容は、消毒剤の補充や、微生物の管理、洗浄などが含まれています。

浄化槽の保守点検は、浄化槽管理士という国家資格を有する者が対応します。

法定検査

保守点検が正しく行われているかどうかを調べる検査を、法定検査と言います。

法定検査は県が指定した検査機関が行うため、公正にしっかりチェックしてくれます。

保守点検も法定検査も、どちらも同じように感じられるかもしれませんが、内容が異なるため絶対に欠かすことのできないものです。

まとめ

浄化槽は、下水道が整備されていない住まいに設置されていることが多く、生活をしていくうえで、重要な役割を果たしてくれています。

浄化槽そのものを見る機会は少ないですが、自宅に設置しているのであれば、なぜ必要なのか、どうやって汚水をキレイにしてくれているのか、ということを知っておくといいのではないでしょうか。

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