浄化槽が臭いのはナゼ?その理由や事前にやっておくべき3つのポイント
マイホームに長年住んでいると、どこかのタイミングで水回りのトラブルに悩まされることがあります。
とくに、臭いがきつくなればなるほどストレスを感じてしまうものです。
水回りから異臭が発生すると、多くは配管に問題があると考え、掃除や修理を検討されがちですが、予想外の場所に問題があるかもしれません。
それが浄化槽です。
今回は、浄化槽の臭いについてお話ししますので、参考にしてみてください。
浄化槽はどの自宅にも設置されているの?
浄化槽は地下に埋まっており、私たちの目では確認できないため、実際に浄化槽があるのかどうかが分からない場合があります。
ですが、浄化槽は基本的に下水道が整備されていない自宅の地面に設置されているケースが多い傾向にあります。
生活排水は、なんとなく下水道を通って処理場へ流れていくイメージがありますが、下水道がないエリアにおいては、浄化槽により汚水を浄化して河川などに流してくれます。
ご自身の住まいに浄化槽が設置されているのかどうかが分からない場合は、浄化槽のプロか住宅メーカーに問い合わせてみるといいでしょう。
浄化槽の臭いの原因とは?
もし、浄化槽から臭いが発生している可能性がある場合、いくつかの理由があります。
設備の不具合による臭い
浄化槽は、同じ場所でずっと長いこと稼動するため、設備の不具合というのがどこかのタイミングで発生します。
例えば、ブロワと呼ばれる送風機の設備が故障すると、浄化槽が正しく機能しなくなるため臭いの発生の原因につながります。
何かが原因でブロワの電源が切れてしまったり、故障したりすることにより、臭いが発生します。
それ以外では、臭いが住まいに入り込まないよう臭突という配管がありますが、それら設備の不具合により臭いを感じられます。
処理が追いついていないから
浄化槽は名前の通り、汚水を浄化してくれますが、予想を越えてしまうような膨大な量は、場合によっては処理ができず、臭いの発生につながります。
浄化槽も、想定外の汚水が流れてくると対応しきれずに臭いを消すことができません。
とくに、調理後の油や食材をそのまま流し込んでしまうと、浄化槽の負担はかなり大きくなる可能性があります。
機能が最大限に発揮されていないから
もし、新しい浄化槽を使いはじめてまもなく臭いを感じるのであれば、まだ浄化槽の機能が最大限に発揮できていない可能性があります。
浄化槽のなかには微生物が存在しており、汚水をキレイにしてくれますが、その微生物が繁殖していないと処理ができず、臭いの発生につながります。
浄化槽を設置したばかりであれば、微生物を増やして処理能力を高めてあげる必要があります。
浄化槽の臭いの発生を抑えるためにやっておくことは?
浄化槽は正しく使い、しっかりとやることをやれば、臭いが発生する、ということは少ないです。
しかし、逆に面倒だからと言って何もしないと臭いが発生する可能性があるため、余計な手間もお金もかかってしまいます。
業者による点検の実施
どんな設備も、いちど設置をすれば終わりではありません。
なぜなら、定期的なメンテナンスにより、設備の機能を維持できるからです。
それは浄化槽にも同じことが言えます。
浄化槽は見えない場所にあるため、ついつい忘れがちですし優先順位も低めになってしまうものです。
そこで、浄化槽を正しく使い続けるために保守点検が重要です。
保守点検の内容は主に、消毒剤の補充や、洗浄、微生物の管理、機器の修理や調整などが含まれています。
保守点検をすることにより、臭いの原因が解消されるだけではなく、河川などにもいい影響を与えてくれます。
排水物に気をつける
浄化槽を正しく機能させるためには、排水するものに気をつけなければなりません。
例えば、油や食べ物の残りを流さないことです。
料理をすること、食べることは毎日行われることですから、ついつい無意識に使用済みの油や食べ物の残りを排水溝に流してしまいがちです。
しかし、油や食べ残しの量によっては、浄化槽内の微生物が汚水を分解できなくなってしまいます。
油や食べ物だけではなく、微生物が死滅しないように大量の洗剤を使用しないことも重要です。
また、浄化槽につながる配管トラブルを避けるためにも、トイレでは排泄物やトイレットペーパー以外を流さないことが重要です。
浄化槽の臭い予防グッズを使う
浄化槽を少しでもキレイに使いたい、臭いはなるべく抑えたい場合に、予防できるグッズを使うという方法があります。
実は、ホームセンターや通販サイトなどで、浄化槽に対応した臭い発生の予防グッズが販売されています。
例えば、直接浄化槽に入れるものもあれば、トイレから入れるタイプのものもあります。
さらには脱臭機を設置するという方法もあります。
ですが、できるだけ浄化槽の専門業者に相談したうえで、予防グッズを使ったり脱臭機の設置をするようにしましょう。
浄化槽が臭いと感じた場合にやるべきことは?
もし、浄化槽から臭いが発生している可能性がある場合、どのように対策をすればいいのでしょうか。
浄化槽にいる微生物を増やす
浄化槽を設置してまもなく臭いが発生している場合は、汚水を分解する微生物が少ない可能性があります。
でしたら、微生物を増やしてあげることで活性化をし、汚水を適切に対処してくれます。
しかし、どうやって微生物を増やすのか、という疑問にたどりつくものです。
実は、専用の材料が販売されており、浄化槽へ流し入れることで微生物を増加させられます。
ただし、個人で判断するのは非常に難しいため、浄化槽の異変に気づきましたら専門業者に相談するようにしてください。
専門機関に点検をしてもらう
保守点検をしているけれど浄化槽から臭いがするかも、と感じた場合、できるだけ浄化槽の専門機関に点検してもらうことをおすすめします。
なぜなら、個人では浄化槽のどこに理由があって臭いが発生しているのかが分からないからです。
また、定期的な点検をしてもらっていたとしても、それが実際に正しく行われているのかは分かりません。
法定点検とも言われていますが、浄化槽の維持管理が正しくできているのかを確認するために検査をします。
この検査は、県知事の指定した機関により、調査が行われます。
浄化槽の掃除をしてもらう
浄化槽の点検は必須ですが、点検だけをしてもキレイになるわけではありません。
浄化槽を適正に使い続けるために、かならず清掃を行い、汚水などで蓄積された泥を吸い、中身をキレイにします。
浄化槽は年に1回のペースで清掃を行いますが、お住いの人数や状況によって変化します。
また、全ばっき方式と呼ばれる古い規格の浄化槽も、6カ月に1回以上の清掃が浄化槽法で定められています。
まとめ
浄化槽は全国すべての建物に設置されているわけではありませんが、下水道がないエリアでは必須の設備だと言えます。
しかし、浄化槽を正しく使わなかったり、点検を怠ったりしてしまうと、臭いが発生し生活に支障をきたしてしまいます。
また、浄化槽だけではなく配管によるトラブルの可能性もあるため、自己判断はとても危険です。
浄化槽が臭いと感じた場合は、すぐにでも業者に相談するべきですし、そうならないためにも定期的な点検をしてもらうようにしましょう。